オークション買い手の利益とは?
2次レベル試験で学習するオークションの理論。
教科書には、売り手と買い手のそれぞれに利益があると書いてあります。
ではそれぞれの利益について振り返ってみましょう。
まずは売り手。
これは直感的に理解が出来ます。売れた値段から仕入れ値を引いた額が「儲け」ですね。
しかし買い手の利益はどうでしょうか。
買い手の利益は、ミクロ経済学では、以下のように表されます。
これはどういう意味でしょうか。
以下の記事は、買い手の利益について示唆を与えてくれます。
引退した中央線201系、「お宝争奪戦」盛況(2011年9月25日12時46分 読売新聞)
昨年10月に完全に引退したオレンジ色の通勤電車「中央線201系」の部品をオークションにかけるイベントが24日、山梨県笛吹市の石和温泉で開かれた。最も注目を集めたのは、ラストランで電車の前面に取り付けられていた行き先表示器。「さよなら中央線201系 豊田→松本」と記されており、約40人が応札した。最低落札価格は2万円に設定されたが、「10万円は間違いない」「意外と低めに来るかも……」などとライバルの動向を予想しながら、注意深く入札券に値段を書き込んでいた。
開札の結果、東京都三鷹市の会社員(24)が33万3300円で落札に成功。この会社員は「鉄道好きになるきっかけになった電車。どうしてもほしかったし、予算内にギリギリ収まりました」と顔をほころばせた。
この記事では、落札した会社員は「予算内に収まった」と言っています。
この予算こそが、「買おうと思っていた値段の上限」に相当します。
ヤフオクなどに慣れている人は、だらだら入札してしまうことがありますが、
ミクロ経済学で学習するオークションの理論では、
オークションの買い手には予算があるという前提に立って議論をしています。
つまり、買い手の利益は「予算以下で買った場合の差額」なのです。
手元にお金が増えるわけではないけれど、
予算以下で買うということは、当初想定していたよりたくさんの金額が手元に残るということですね。