「職業行為基準」満点攻略法

公開日:2012/09/09、 最終更新日:2014/12/10

証券アナリストの二次試験合格に絶対必要な職業行為基準(職業倫理)で満点を取るための攻略法です。当サイトで一番役に立つページといっても過言ではないところです(笑)ので、独学の方は是非ご利用ください。職業行為は市販参考書もないので、参考になると思います。
(最終更新:2014年7月)

目次

職業行為基準を攻略すべき理由

  • 足キリがある(他の科目の点が良くても職業行為基準の点が悪いと不合格になります)
  • そもそも他の問題を落としまくっても職業行為基準で点を稼げば合格できる。
  • 対策さえしておけば、ものすごく簡単。
  • 試験問題が多いので、早く終わらせて他の科目の解答に時間を使いたい。

というわけで、職業行為基準の対策法を紹介します。過去問を開きながら読んでください。

出題傾向

具体的なシチュエーションの中から問題のある行為を見つけ、どの条文に違反しているか指摘させるという問題が典型的なパターンです。「こんなの証券業界にいたらあたりまえじゃん」と思える内容ばかりですが、実際に問題文で、「この行為は、どの基準に違反するか」と問われると答えがでてこないものです。

もうひとつの出題パターンは、用語の穴埋め問題や選択問題です。

どうやって学習するか

職業行為基準は、試験問題に添付されるので、一字一句暗記する必要はありません。全部覚えなくてもいいですが、逆に「条文がわかるなら、試験中に考えればいいや」という安易な考え方は絶対にダメです。過去問をこなしておかないと

  • (1)問題のある行為はわかっても、具体的にどの条文に当てはまるか指摘できない。
  • (2)文章での解答の書き方がわからない。

ということで、貴重な試験時間を浪費してしまいます。職業行為はさっさと終わらせて他の時間のかかる科目に配分する必要があります。条文の内容と具体的な違反事項を結び付けるトレーニングが必要です。

丸暗記の必要はないが、ある程度把握せよ

違反事項を見つけたら、あの条文が該当事項だな、と思いつく程度には覚えておく必要があります。まずは構成を把握。次に類似の紛らわしい条文を確認しておきます。

最低限の用語を覚える

条文の把握のほかに、穴埋め問題も出る可能性があるので、いくつか用語を覚える必要があります。覚えてしまえば簡単です。具体的には、職業行為基準の「1定義」のところです。(「会員」「信任義務」「実質的保有」など全部。)さらに「GPIS」など過去問に出た用語は覚えておく必要があります。

金商法でのインサイダー取引の定義を復習

職業行為基準の1定義(6)「重要な情報」などインサイダー関連の問題も出題されるため、金融商品取引法におけるインサイダー取引の定義や違法行為の範囲を、別の資料か何かで確認しておいてください。どこかの証券会社のお客様向け説明ウェブページでもいいです。職業行為基準では、そこまで細かい知識は問われませんが「情報受領者」の範囲などを再確認しておいて損はありません。

解答の書き方

解答の仕方にもコツがあります。

ありきたりの解答でよい。

「こんな解答じゃ簡単過ぎるのでは」とか「あたりまえすぎる。小学生か?」と思えるほど、簡単過ぎる指摘になりがちですが、それでいいのです。証券会社の新入社員になったつもりで初心に戻って解答してください。職業行為基準の難しいところは、「これも違反だったか!こんな落とし穴が!?」というような難しさではなくて、「こんなの当たり前過ぎてスルーしてた!」という難しさだと思ってください。

解答は短く簡潔に(解答欄を埋めなくてよい)

指摘が適切なら回答欄すべてをうめる必要はありません。「証券営業のA氏は○○をしているが、これは、○条の××に当てはまる。」のように簡潔に一行でも正解とみなされます。長文でだらだら書くだけ無駄です。

ひとつの違反事項は、複数の条文違反だ

ひとつの違反は、複数の条文違反になります。よって「○○という行為を行っているが、これはX条のXXにあてはまる。また△△という観点からするとY条のYYにも違反している」というような解答になります。

解答が見つからなければ、なんにでも当てはまる条文を使う

何箇所指摘せよといった問題が多いです。必要な数の解答が思いつかない場合、何でも当てはまる条文を使います。具体的には以下です。

2 総則
(2)会員は、証券分析業務のもつ重要な社会的役割にかんがみ、誠実に職務を励行し、互いに証券アナリストの社会的信用および地位の向上に努めなければならない。
(4)会員は、関係法令ならびに本協会の定款、規則およびこの職業行為基準を遵守しなければならない。

6 受任者としての信任義務
(2)会員は、前項の業務を行う場合には、その時々の具体的な状況の下で、専門家として尽すべき注意、技能、配慮および勤勉さをもってその業務を遂行しなければならない。

2(4)なんて「ルールを守らねばならない」っていうルールですから、他のどんな規則を破っても、さらにこれに該当しますよね。あわせて一本って感じです。注意点は、主語が「会員は」となっているところ。違反者が証券アナリスト協会検定会員ではない人にはあてはまりません。

まとめ

職業行為基準は、コツさえつかめば満点が取れるので、時間をとって対策をしておきましょう。

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