独学のコツ:数学・統計学

公開日:2011/01/27、 最終更新日:2014/11/09

証券アナリスト試験を受けるにあたって必要な数学の学習法やテキストを紹介します。

目次

数学・統計学の概要

証券アナリスト試験に「数学・統計学」という科目はありませんが、各科目を学習をするにあたって、数学・統計学のテクニックは前提知識として必要になります。特に証券分析は数学なしには理解することができません。とはいえ、数学の試験があるわけではなく、あくまで統計学は証券分析のツールでしかないので、理系の人や数学に苦手意識のない人(理論系をやった経済学部の人とか)は、数学だけの勉強をする必要はなく、証券分析のまとめテキストから勉強を始めて大丈夫です。難しい応用問題は出題されません。また、数学だけを学習しなくても証券分析の市販テキストにも、平均、分散などの計算方法が解説してあります。

公式が複雑に見えても、結局は四則演算(+-×÷)ですべて解ける

前述のとおり、統計学自体の難しい応用問題が出るわけではないので、簡単な計算が出来ればよいです。学生時代、数学が苦手だった人も今やってみたらけっこう簡単です。社会人にとっては、日々の仕事・業務のほうがよっぽど難しいと思います。1次レベルでは以下が分かるぐらいに数学が出来れば、1次レベルの数学は抵抗なく取り組めるはず。

  • 一次関数、二次関数
    中学で習った二次方程式の解の公式が解けるぐらい。

  • 統計(平均、分散、標準偏差、相関)
    いくつか数字を並べて、これらの平均、分散、標準偏差を求められる。

  • 関数電卓を使いこなす
    関数電卓の使い方を覚えると、公式の詳細を忘れても計算ができます。関数電卓の使い方・選び方はこちら

統計学入門テキスト

ここでは、統計学を体系的に勉強してみたいという人向けの入門用テキストを紹介します。

「これ以上何かを削ったら、統計学にならない」という、最小限の道具立て(ツール)と簡単さで書かれた「超入門書」。高校数学がわからなくても(忘れてしまっていても)大丈夫。初歩の初歩からスタートしながらも、「検定」や「区間推定」という統計学の最重要のゴールに最短時間で到達することを目指す

文系出身の方で苦手意識のある方にはこちらもおすすめします、日経新聞者の本です。初心者用としては上の「完全独習 統計学入門」とペアで2大巨頭という感じです。

証券アナリストのための数学テキスト

ここから紹介するのは、証券アナリストのための、と銘打った本です。ですので統計だけでなく、複利計算など基本的な金融数理も勉強できる本です。これらの3冊は、いずれも、適当にパラパラ読むだけでは、なーーんにも身につきませんので、腰を落ち着けてしっかり勉強してください。内容は、どれも似たり寄ったりに思えましたが、上の3冊のどれかを選べば間違いないでしょう。

この本は、いちおう断っておくと「証券アナリストのための」であって「証券アナリスト試験のための」ではありません。ですが、証券アナリスト試験は証券アナリストのための試験なので、本書で学習すれば問題なく試験範囲をマスターできます。またこの本は、1980年代から出版され続けている本で、この業界では古典的な本といえるでしょう。おすすめです。私が今から買うならこの本かなと思います。

泣く子も黙る朝倉書店の本です。朝倉書店の本は、ファイナンスにかぶれた文系人間が何気にチャレンジしようとして泣きを見る金融工学の本ばかりなのですが、この本は、朝倉書店唯一の例外で、誰でも理解できるように書かれた本です。ですが、あくまでファイナンス数学の本であって、証券アナリスト試験用の本ではないので★2つです。